ハイパーサーミア(温熱療法)とは
細胞は42.5℃以上になると、死滅していきます。この原理を利用して、選択的にがん細胞を加温し、42.5℃以上の環境を作ることで、がん細胞に何かしらの影響を与えることを目的に考案されたのが、温熱療法となります。
検査前の準備
施設によって違いますが、診察を行い、体調の確認を行います。体調がすぐれない場合はハイパーサーミアを行わない可能性もあります。
また、ハイパーサーミアを行う前に放射線治療や化学療法を行ってすぐ、ハイパーサーミアを行う施設もあります。よりがんへ影響を与える可能性を高めるために行っています。
ハイパーサーミアの治療を行う前3時間は、飲食はしない方が良いです。うつ伏せの状態で電磁波を当てると圧迫感があり、嘔吐や息苦しさを感じてしまう可能性があります。
治療前に、着替えを行います。基本的に身につけている金属は外し、検査着に着替え、治療時は検査着を脱いで治療となります。
その後、深部の温度を計測するために、直腸温度を測るため、直腸へ専用の温度計を入れることもあります。また、腹部の場合は、経鼻(鼻から)チューブを胃のあたりまで入れ、その近くの温度を測ることもあります。皮膚の近くの場合はそこに温度計を貼り付け温度を計測します。施設によって最初だけ温度を測る施設と、毎回温度を測る施設があります。温度を計測すると、それだけ、正確な治療が可能となります。
治療の時間
治療部位に加温するためのポジショニング(位置決め)を行うのに5〜10分くらいかかります。場所によってはもう少しかかる可能性もあります。
治療の時間は、施設によって変わります。
加温を開始してから、40分から60分くらいに設定している施設が多いかと思います。ハイパーサーミアの治療の場合、長時間加温することで、よりがんを温めることが可能となります。
深部の治療で低出力の場合は、長時間行うことが必要になります。出力が低いということは温度が上がりにくいこととなります。
そのため、より高出力で、がんへの温度を上げることが重要となります。
40分から60分は、音楽やテレビなど設置している施設もあります。個人的にはお話している方が時間が短く感じる方が多いかと思います。
治療後
身体の状態確認を行います。赤くなっているところや脂肪硬結、火傷になったところがないか確認します。熱さによるのぼせた感じが残り、気分が悪くないかなど、状態確認は必須になると思います。
問題なければ、体についたゲルを拭き取り、更衣室にて着替えを行なったもらいます。施設によってはシャワーが完備されているところもあるかと思います。
準備が終わったら、次回予約になるかと思います。
ハイパーサーミアにかかる時間は
ハイパーサーミアのポジショニングと加温時間を合わせるとだいたい60分〜70分くらいかかりさらに、治療前の化学療法や放射線治療の時間、診察待ちの時間、着替えの時間、治療後の着替えの時間、診察の時間、お会計がかかってくるかと思われます。
結論からすると、施設によって違うというのが結論かもしれませんが、ポジショニングと加温の時間はだいたい同じくらいかと思われます。
施設にどれくらい時間がかかるのか確認してみるのも良いかと思います。