ハイパーサーミア(温熱療法)とは
細胞は42.5℃以上になると、死滅していきます。この原理を利用して、選択的にがん細胞を加温し、42.5℃以上の環境を作ることで、がん細胞に何かしらの影響を与えることを目的に考案されたのが、温熱療法となります。
ハイパーサーミアのタイミングは?
ハイパーサーミアを行うタイミングは、放射線治療、化学療法を行なった後すぐに、行うことが推奨されています。放射線治療の場合は細胞の修復を阻害させるため、化学療法の場合は、抗がん剤が血中に多い時に行うことが良いとされているためです。
そのため、ハイパーサーミアは他の治療当日が最もよく、化学療法の場合は遅くても翌日にはハイパーサーミアを行う方がよいとされています。(抗がん剤の種類によっては前日に行う場合もあります。)
前日、翌日どちらが良いかは解明されていません。
ハイパーサーミアの頻度は?
ハイパーサーミアにて、体を温めると細胞を保護するタンパク質である、熱ショックタンパク質(HSP)の発現が上昇して、熱耐性ができてしまいます。そのため、熱による効果が低下してしまいます。これらのことから、週に1〜2回、1回行なったら2、3日は空けてから加温を行うことが良いとされています。人によっては2週間に1回の方もいます。
絶対、この回数行わないといけないわけではなく、放射線治療や化学療法を行うタイミング、体調、ご自身の予定など、ご自身の治療に沿ったタイミングでハイパーサーミアを行うことが重要になってきます。
より効率的に加温させ、相乗効果を高めることが大切だと思います。
ハイパーサーミアの回数は?
ハイパーサーミアは、副作用が少ないため何回でも行うことが可能となっています。ただし、保険適応となるのが1連8回を3回のため、24回(施設、地域によって回数は異なります。)その後、自己負担にて治療を行うことが可能となります。6ヶ月後、再度保険適応に戻ることができるため、100回を超えて治療される方もいます。
この治療回数に関しては、がんの進行が進まず、現状維持の場合は、ハイパーサーミアを続ける方向となるかと思います。ご自身の病状の経過によって治療の回数は異なるため、担当の医師に確認すると良いかと思います。