放射線治療とは
放射線治療とは、がんなどの病気の治療において、放射線を用いて病変を治療する方法です。がんに照射し、そのDNAを破壊して細胞分裂や増殖を抑制し、がんを縮小または消滅させる効果を持ちます。副作用として、皮膚の炎症、疲労感、照射された臓器に何かしらの影響を与えてしまう可能性があり、一時的なものから長期にわたるものまで様々です。
ハイパーサーミアとは
細胞は42.5℃以上になると、死滅していきます。この原理を利用して、選択的にがん細胞を加温し、42.5℃以上の環境を作ることで、がん細胞に何かしらの影響を与えることを目的に考案されたのが、温熱療法となります。
放射線治療とハイパーサーミア併用治療の効果は?
低酸素状態のがんは、放射線の効果が低下してしまいます。ですが、ハイパーサーミアにより温められることで、低酸素状態から酸素状態が改善され、がんが放射線効果が高まると言われています。また、放射線治療後に影響を与えられたがん細胞が、ハイパーサーミアにより、がん細胞の回復作用を阻害する働きを持っているとされています。これらのことから、ハイパーサーミアと放射線治療による相乗効果でがんに対し影響を与えやすくなります。
ハイパーサーミアの治療タイミングは?
ハイパーサーミアのタイミングは、放射線治療直後から2時間以内が良いとされています。放射線治療をしてすぐハイパーサーミアを行っている施設もあります。この時間については、何時間までという明確な基準はありませんが、論文などでは2時間以内としているものがあります。より効果的にハイパーサーミアを行うのであれば、医師と相談するのが望ましいかと思います。
放射線治療とハイパーサーミア
放射線治療とハイパーサーミアは相性が良いとされています。ただし、ぜったいがんに効くというわけではありません。必要な線量を正常臓器を避けることができず満足な放射線治療を行うことができない場合や、ご本人とハイパーサーミアとの相性(熱さや痛みにより、出力をあげられない。姿勢の保持ができないなど)により、ハイパーサーミアを行っても効果がない可能性もあります。
様々な研究にて、放射線治療とハイパーサーミアを併用することで、良い結果となったという例もあります。やはり、43度近く温度が上がっている方が治療効果が生まれる可能性高まる印象を受けます。
ただし、放射線治療とハイパーサーミアの併用についてはまだまだ研究途中となっているのが現状となります。
放射線治療を行っているのであれば、ハイパーサーミアによる相乗効果を狙ってもよいのではないかと考えます。担当の医師に確認しても良いのかもしれません。