ハイパーサーミアとは
細胞は42.5℃以上になると、死滅していきます。この原理を利用して、選択的にがん細胞を加温し、42.5℃以上の環境を作ることで、がん細胞に何かしらの影響を与えることを目的に考案されたのが、温熱療法となります。
ハイパーサーミア(温熱療法)の熱さについて
結論から言いますと、高出力(W)で治療した場合「熱い」です。人によっては、痛みを生じてしまうこともあります。
そもそも、ハイパーサーミは、がん細胞を温めることで効果が発揮されます。そのためには、高出力(W)で、長時間(sec)の治療を行うことが推奨されます。
高出力にするほど、温度が増す傾向が高くなります。
どんな熱さ??
最近の機器での加温の場合、電極盤と体の間に循環水(5℃)が流れる仕組みになっており、皮膚を冷やしながら、内部の加温を行うようになっています。
冷たい循環水が流れることで、熱さの軽減や、痛みの緩和に役立ち、より高出力で治療を行うことが可能となっています。
熱さの表現については、「感じたことのない熱さ」「内側があったかくなってくる」など様々な表現がされています。これは、通常、体を冷やして、内部を温められる経験がないため表現が難しいからだと考えられます。
また、電磁波による加温を行う影響で、体全身に電気が流れます。
そのため、部分的な熱さ、おへその周り、尾骨、恥骨、肋骨下部、鎖骨の下など体の不形成な所に熱さが生じることがあります。
どのくらい熱いの?
高出力で治療をしている人は、みんな汗をかき、熱さを感じています。
ただし、熱さはどのくらい熱いのか、それは人それぞれ違います。
これは、体型が主に関与しています。
痩せている人、太っている人で熱さの感じ方が違います。
体型が太っている人、皮下脂肪が3cm以上ある方は、脂肪組織が熱を溜め込みやすいため、熱感を感じやすく、また、痛みも生じやすい傾向があります。ただ、太っているからハイパーサーミアができないわけではありません。
痩せている人は、局所的な熱さを感じる人もいるが、比較的、高出力での治療が可能な場合が多いとなる。痛みを感じず、耐えられない熱ではないという方もいらっしゃいます。
熱さの感じ方は人それぞれ違うので治療をしてみないとわからないというのが現状となっています。
熱い時はどうするの?
熱さを感じたら、対応している医師や技師に熱いことを伝えるようにした方が良いです。
熱くて痛いのに我慢してしまうと、火傷を負ってしまう可能性があります。
それぞれの病院で、熱さや痛みが生じた際の対応策があるので、必ず熱さを伝え、対応をお願いすることを推奨します。
熱さはどのくらい続くの?
この感覚も人それぞれ変わってきます。
治療が終わったら、スゥーと抜けたという方、熱さがそのままこもっている感じがするという方、特に何も変わらない方、熱中症みたいなだるい感じがする方など様々いらっしゃいます。
治療後は、水分補給と、あまり大きな動きをしないことを推奨します。